CARBONIX 建設・住宅業界のカテゴリ1・11(13)算定の効率化支援機能 開発インタビュー

CARBONIX × 東京ガス 開発インタビュー

丸瀬
今回、Sustechと協業することになった、経緯について教えてください。
西村様
Sustech社の丹野さんとは、Tryfunds時代から東京ガスと取引があり、様々なご支援を受けてきました。
この度テクノロジーを活用して、企業と社会のGXを効率化するために創業された、Sustechさんと、東京ガスのカーボンニュートラル社会の実現のため、法人の脱炭素化を促進するというビジョンに共通点が多くあったので、新たな協業に踏み出すことに致しました。
丸瀬
最初にCARBONIXを触られた時の、ご印象について教えてください。
西村様
これまでのGHGを算定する際はExcelを使うことが多かったので、CARBONIXの登録画面を見せていただいたときに、Excelと同じような操作感でマニュアルを見なくても違和感なく作業ができると感じました。
それでいてExcelと違い、複数の部署や担当者による同時編集であったり、データを登録後の承認作業や、データ登録後に自動でグラフが作成され分析データが見やすくなるなど
Excelと業務支援ツールのよい点を両立されているな、と感じました。
丸瀬
Excelよりも便利だなと感じたCARBONIXに実際に触れていただいて、CASBEEのライフサイクルCO2算定機能を使った原単位作成をしようというアイデアが浮かんだのはいつ頃ですか?
西村様
CARBONIXをお客さまにご案内する中で、建設・住宅業界では、建物を立てる際に非常に多くの建材・設備等を使うため、一つ一つの建材・設備を積み上げて算出することが困難であるという課題に直面しました。
その際に、建設・住宅業界のお客さまの中で「CASBEE※1」(建築環境総合性能評価システム)のライフサイクルCO2算定機能を使ってカテゴリ1(購入した商品)等の計算を効率化されている方がいたことをきっかけに、これがCARBONIXでも実装できると便利だなと考えました。 ※1 建築環境総合性能評価システム。建築物や街区、都市などに係わる環境性能を様々な視点から総合的に評価するためのツールであり、現在、国内の建設事業者や設計事務所、建物所有者、不動産投資機関などにおいて広く活用されています。
一般社団法人日本サステナブル建築協会が研究開発し、一般財団法人住宅・建築SDGs推進センターが普及促進しています。
丸瀬
建設・住宅業界における具体的な課題・お困り事は何でしょうか?
西村様
「建物を建てる」という業界ですので、Scope3の排出量を算定する時も建築物を構成する数千~数万点の建材や設備の情報を集めて整理する必要があるため、膨大な業務負荷が発生します。
そのためお客様によっては、総建設投資額のみで評価する方であったり、鉄骨・セメント・木材といった代表的な主要資材のデータのみを収集して算定されるなど大胆に割り切って算定をされる方も少なくありません。

そうすると、データの精度やカバー率が粗くなってしまい、温室効果ガス排出量削減に向けた企業努力というのが正しい数字に反映されにくくなってしまうという課題があります。

現在、建設・住宅業界のScope3カテゴリ1(建設時の排出量)算定については、企業単位のみでなく建物単位での算定が求められていく機会も増えていくかと思います。現在、様々な業界や企業のツール・ガイドラインが様々あり、どのツールを活用すべきか悩まれている方も多くいらっしゃいます。そこで、算定を効率化するための現在取りうる暫定解として、既に手法が確立されているCASBEEのライフサイクルCO2算定機能を活用するという判断に至りました。
また、各種ツールは算定にあたり多くの情報を集計・整理して入力を求めるケースもあり、全ての建物で活用するのは工数的に厳しい企業様もいらしゃいます。そういった企業様にとって、主要な建物については精緻に算定しつつ、細かな算定を求められていない建物については今回のCARBONIXの機能をお使いいただき、効率的に算定することで、無理のない方法でScope3全体の算定カバー率が向上出来ると考えています。

計算に必要となる情報は地域・用途・構造等別の延床面積の基本情報に絞る一方で、既存建築躯体やリサイクル材、排出原単位の低い資材の活用、木造比率の向上等ある程度の精度や企業努力を反映した建設時CO2排出量の計算ができるようになる、といったメリットがあります。
また、カテゴリ11・13の運用時排出量についても建物用途以外にも延床面積区分やBEI等の条件を考慮した原単位の作成が可能となります。
丸瀬
Sustechと共同開発する中で、どのような点にご苦労されましたか?
西村様
今回、クラウド開発に初めて取り組んだため不慣れな点が多かったですが、システム開発実績豊富なSustech社と開発をしたおかげで、お客さまにとって使いやすい画面設計を実現することができました。
CASBEEのライフサイクルCO2算定機能の計算データを利用させて頂いているのですが、参照する数値や計算式は間違いのないように確認は何度も行いました。また、IBECs様からCASBEEのライフサイクルCO2算定機能の計算データの利用をご許諾いただけたことを大変感謝をしております。
丸瀬
本機能をどんな方に使っていただきたいですか?
西村様
これからScope3まで含めた算定に取組まれる建設・住宅業界の企業様で、算定に当たり全物件の資材データ等の集計に多くの時間や工数をかけることが難しい企業様にご利用いただきたいです。
CARBONIXでは各種算定ツールとの組み合わせや、企業単位の調達資材を積み上げて算定する方法も可能となっているため、お客さまの状況に合わせて様々な算定手法を組み合わせることができるのが良い点だと思っております。
丸瀬
私も前職で業界の膨大な資料を読み解くのにすごく時間がかかったので、御社の知見に基づいた本機能を多くの方に使っていただけたら嬉しいなと考えております。
西村様
またご担当者の負担も減らしていただければという想いもあります。
丸瀬
今後も新たな機能などSustechと共同開発する予定はありますか?
西村様
現時点では未定ですが、CARBONIXを活用してお客さまの脱炭素化をご支援するという共通のビジョンに向かって
Sustech社と検討してまいりたいと考えています。
丸瀬
CASBEE対応の原単位作成機能を含めたCARBONIXを利用されるお客様が増えていけばなと考えておりますので、今後もお力添えいただければと思っております。

本日はありがとうございました。

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