脱炭素経営に取り組む企業へ向けた基本的な知識を徹底解説!

脱炭素経営に取り組む企業へ向けた基本的な知識を徹底解説!
CO2削減

脱炭素経営は中小企業にとって、単なる環境対策ではなく、競争力強化と持続的成長を実現する経営戦略です。しかし、具体的にどのようなメリットがあるのか、どう計画を立てればよいのか、実際に成功している企業はどのような取組をしているのか、明確なイメージを持つことは容易ではありません。本コンテンツでは、環境省の文書をもとに、的確なメリットや手順について解説していきます。

はじめに:なぜ今、脱炭素経営に取り組むべきか

近年、企業経営において脱炭素を意識する『脱炭素経営』の取り組みが広がってきています。その理由として、もちろん環境問題に取り組まなければならない要因はたくさんありますが、主な背景を環境省は以下のように述べています。

現在、グローバルに展開している企業を中心に、RE100(Renewable Energy100%)やSBT(Science Based Targets)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)等の脱炭素経営に向けた企業の取組が急速に広がっています。この流れを受けて、自らの事業活動に伴う排出だけではなく、原材料・部品調達や製品の使用段階も含めた排出量を削減する動きや、金融機関の融資先の選定基準に地球温暖化への取組状況が加わるケースが増えています。中小企業にとっても、温室効果ガス削減の取組が光熱費・燃料費削減という経営上の「守り」の要素だけでなく、売上の拡大や金融機関からの融資獲得といった本業上のメリットを得られるという「攻め」の要素を持ちつつあると言えます。

環境省 中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-(p.2-)
https://www.env.go.jp/content/900440895.pdf

企業が脱炭素経営に取り組むメリット

企業が脱炭素経営に取り組むメリットを、環境省のハンドブックをもとに5つ紹介します。

脱炭素経営の5つのメリット

  1. 優位性の構築(競争力強化・売上拡大)

グローバル企業がサプライヤーに排出量削減を求める流れが強まっています。SBT目標を持つ企業はScope3の削減も求められるため、サプライヤーの削減努力がグローバル企業から評価される仕組みです。例えばAppleは再エネ電力使用を要請しており、これに応える企業がサプライチェーンに選ばれやすくなっています。排出量を定量的に把握・開示するだけでも脱炭素への取組姿勢を示すことができ、自社製品の競争力確保・強化につながります。

  1. 光熱費・燃料費の低減

非効率なプロセスや設備を更新することで、光熱費・燃料費の削減が実現できます。一般的には費用が高いと思われがちな再エネ電力についても、大きな追加負担なく調達しているケースがあります。エネルギーコスト削減により、多品種少量生産など利益を出しにくい製品でも積極的に生産・拡販できる副次効果も期待できます。

  1. 知名度・認知度の向上

大幅な温室効果ガス削減や先駆的な再エネ導入を行った企業は、メディア掲載や国・自治体からの表彰を通じて知名度・認知度が向上します。特に中小規模事業者の取組はまだ少なく目立つため、効果的なPR活動になります。省エネによる大幅なコスト削減が実現できれば、新たな顧客層への浸透も期待できます。

  1. 社員のモチベーション向上・人材獲得力の強化

気候変動という社会課題解決に取り組む姿勢を示すことで、社員の共感や信頼を獲得し、モチベーション向上につながります。環境問題への関心が高い人材から評価され、「この会社で働きたい」と思わせる効果があります。「エシカル就活」という言葉も登場するなど、社会課題への貢献を就職条件に挙げる学生は増加傾向にあり、脱炭素経営は優秀な人材獲得に有利に働きます。

  1. 資金調達における優遇

金融機関が融資先の選定基準に地球温暖化対策への取組状況を加味する動きが広がっています。脱炭素経営を進める企業に対して融資条件を優遇する取組も行われており、例えば滋賀銀行は温室効果ガス削減目標の達成状況などに応じて貸出金利が変動する「サステナビリティ・リンク・ローン」を提供しています。脱炭素経営は新たな機会創出に向けた資金調達を有利にします。

脱炭素化に向けた計画策定の6ステップ

STEP1:長期的なエネルギー転換の方針の検討

都市ガスや重油等を利用している主要設備に着目し、長期的なエネルギー転換の方針を検討します。

主なエネルギー転換の方策

  • 電化:ボイラーをヒートポンプへ、燃焼炉を電気加熱炉へ、ガソリン車を電気自動車へ転換。電化はエネルギー転換だけでなく省エネ(高効率化)にも寄与します。
  • バイオマス利用:バイオマスボイラーへの転換。未利用材、廃材、バイオディーゼル燃料等の安定調達の可能性を検証します。
  • 水素利用:燃料電池車や水素バーナーへの転換(ただし2030年代までは商業利用が難しい可能性があります)。

技術開発の進捗状況や導入コスト、インフラの普及状況に応じて、一足飛びに転換が難しい場合は段階的な転換も検討します(例:ガソリン車→ハイブリッド車→電気自動車)。

STEP2:短中期的な省エネ対策の洗い出し

STEP1で検討したエネルギー転換の方針を前提に、これを補完する形で短中期的な省エネ対策を検討します。

省エネ対策の例

  • 運用改善:空調フィルター清掃、不要空間への空調停止、冷暖房設定温度の緩和、コンプレッサー吐出圧の低減、配管の空気漏れ対策、不要箇所の消灯など
  • 部分更新・機能付加:空調室外機の放熱環境改善、スケジュール運転制御の導入、窓の断熱性向上、配管の断熱強化、照明制御機能の追加、流量・圧力調整など
  • 設備導入:高効率パッケージエアコン、高効率コンプレッサー、LED照明、高効率変圧器、プレミアム効率モーター、高効率冷凍・冷蔵設備、高効率給湯機など

STEP1とSTEP2により温室効果ガスがどの程度削減されるか概算し、削減目標に届かない場合は再エネ電気への切り替えが必要になります。

STEP3:再生可能エネルギー電気の調達手段の検討

再エネ電気はCO2ゼロの代表的・汎用的なエネルギーです。STEP1の電化と組み合わせることで大幅なCO2削減を図ることができます。

再エネ調達の主な手段

1. 小売電気事業者との契約(再エネ電気メニュー)

  • 長所:取引コストが低い、小口でも調達可能
  • 短所:電力購入先の切り替え手続きが必要、将来の調達リスクがある

2. 自家発電・自家消費

  • 長所:屋根や遊休地の活用が可能
  • 短所:設置場所の確保が必要、稼働まで期間を要する、継続的なメンテナンスが必要

3. オンサイトPPA・第三者所有モデル

  • 長所:基本的に初期投資ゼロ、維持管理費用が発生しない、系統電力より安い
  • 短所:自由に交換・処分ができない、長期契約である

4. リース

  • 長所:初期投資ゼロ、売電収入が得られる
  • 短所:長期契約、発電がない場合でもリース料が必要、リース資産として管理が必要

5. 再エネ電力証書等の購入

  • 長所:複数拠点の一括実行が可能、電力購入先の切り替え不要、長期契約不要
  • 短所:価格変動があり相対的に高価、流通量が限定的

太陽光発電設備設置の検討ポイント

  • 発電容量の検討:日負荷変動に概ね収まるよう容量を決定
  • 屋根の強度・形状・素材:新耐震基準建物が必須条件
  • 第三者所有モデルの適用可能性:イニシャルコストがかからず電気代削減も可能だが、長期契約が必要で需要家の信用力が求められる

再エネ電気メニュー切り替えの注意点

  • 複数の小売電気事業者から見積を取得
  • 市場連動型契約の場合、市場価格高騰により電気料金が急騰するリスクがある
  • 現在の契約プランを確認し、切り替え可能時期や違約金の有無を確認

STEP4:地域のステークホルダーとの連携

自社の温室効果ガス削減手段や削減余地、必要な投資金額を概ね把握した段階で、地域の自治体や金融機関等と相談の場を設けることをお勧めします。

連携のメリット

  • 自治体:再エネ導入や設備投資への支援制度の活用、地域の先進事例や類似取組例の紹介
  • 金融機関:省エネ・再エネ設備投資に対する金利や保証料等の優遇融資制度、排出削減の進捗に応じた金利優遇制度
  • 情報面:より適切な削減対策や見落としている視点などの助言

多くの地方公共団体が2050年二酸化炭素実質排出量ゼロに取り組むことを表明しており、企業の脱炭素化を後押しする取組が進められています。自社単独で考えるのではなく、地域のステークホルダーと連携することが、より実効的な削減対策を策定するために重要です。

参考事例:北陸銀行のSDGs評価サービス
取引先企業にSDGsの取組を可視化する簡易レポートを提供し、企業が客観的評価を通じて脱炭素化も含めたSDGsの取組の可能性に気づく機会を提供しています。

STEP5:削減対策の精査と計画へのとりまとめ

STEP1~STEP4の検討結果をとりまとめ、洗い出した削減対策について以下を定量的に整理します。

整理すべき項目

1. 想定される温室効果ガス削減量(t-CO2/年)
2. 想定される投資金額(円)
3. 想定される光熱費・燃料費の増減(円/年)

各削減対策の実施時期を決めた上で、企業全体のロードマップとして削減計画に整理し、以下を集計します。

  • 各年の温室効果ガス排出削減量
  • 各年のキャッシュフローへの影響

精査の観点

1. 洗い出した削減対策によって目標達成は可能か

    • 目標年における削減量の総和が目標達成に十分かチェック
    • 不十分であれば削減対策の追加が必要
    • 優先順位をつける場合は、削減コストの低い対策(運用改善など)から選択

2. 温室効果ガス排出削減に係る追加的な費用支出を許容できるか

    • 設備更新の初期投資や光熱費・燃料費上昇の可能性を検討
    • 補助金の活用による負担軽減を検討
    • 設備投資による税負担の軽減(減価償却費、税額控除、特別償却など)を考慮
    • インターナルカーボンプライシング(予め炭素価格を想定した投資判断)の活用も一案

3. 削減対策の実現に向けた詳細検討をどのように進めるか

    • 技術の開発・実用化が不十分なものや生産設備の更新を伴うものは、詳細検討が必要
    • 詳細検討で明らかにすべき事項、方法、プロセス、実施体制、期間を定めて社内で周知
    • 詳細検討の結果を踏まえて削減計画を見直し

STEP6:削減計画を基にした社内外との議論

削減計画が完成したら、社内外へ積極的に発信していくことをお勧めします。

社内への共有

  • 削減対策の実行には社員の協力が不可欠
  • 脱炭素化という目標と削減対策という手段をしっかり共有し、社内の理解醸成を図る
  • 理解が深まれば、削減対策実施への協力だけでなく、新たな視点での削減提案も期待できる

社外への共有

  • STEP4で連携した自治体や金融機関等へ共有
  • 補助制度や融資制度等の活用に向けた相談を開始
  • 幅広いステークホルダーと認識を共有することで、より実効的な削減対策となることが期待できる

削減計画について幅広いステークホルダーと認識を共有することで、実行に向けた具体的な支援を得られるとともに、より実効的な削減対策となることが期待されます。

環境省 中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-(p.33-)
https://www.env.go.jp/content/900440895.pdf

企業の脱炭素経営事例

実際に取り組みを進めている企業の詳細な施策について、環境省が紹介している例をピックアップしました。

事例① 株式会社大川印刷(印刷事業、神奈川県横浜市)

企業概要

1881年(明治14年)創業の印刷会社。「ソーシャルプリンティングカンパニー®」を標榜し、本業を通じた社会課題解決を実践しています。

脱炭素化の取組
目標

  • 2016年度にScope1、2のゼロを達成
  • 2030年にScope3を含めたゼロ化を目指す(非常に野心的な目標)

具体的な対策

  • 省エネ:LED UV印刷機への切り替えなど、消費電力量の削減
  • 再エネ調達
    • 自社工場屋根に第三者所有モデルで太陽光発電設備を設置し、約20%の電力を賄う
    • 残り約80%は青森県横浜町の風力発電による電力(FIT利用)を購入し、グリーン電力証書を利用
    • 2019年に本社工場全体の使用電力の再エネ100%化を実現
  • サプライチェーン排出量削減:同業他社の印刷業者、製本業者、配送業者等を招いてCO2排出削減セミナーを開催(参加企業11社のうち2社がCO2削減に取り組む意向)

得られたメリット

  • エネルギーコスト削減:2019年度は売上が対前年度比8%伸びたにも関わらず、エネルギーコストは8%削減
  • BCP対策:工場の電気取込機器が故障した際、太陽光発電から直接電気供給ができ、2日で復旧。顧客に迷惑をかけることなく事業継続が可能だった
  • 取引先拡大・売上増:先進的な取組としてメディアに取り上げられ、見学者を多数(2019年度は430名)受け入れ。環境印刷に共感した顧客からの問い合わせや注文が増加。売上高経常利益率は1.8%増加(中小企業で達成困難な数字)
  • 従業員の意識向上:従業員がセミナー講師に挑戦したり、オンラインイベントを開催。「全従業員SDGs担当」の意識で、自分の言葉で仕事とSDGsとの関わりを語れることが競争力の源泉

その他の特徴

  • 横浜市地球温暖化対策推進協議会の副会長を務め、横浜市の取組に率先して参加
  • 印刷設備ごとにSDGs目標を掲示し、従業員一人一人が担当する環境取組を実践(ノンアルコール水の使用、ノンVOCインク、端材リサイクル、FSC®森林認証紙の利用72.3%など)

事例② 山形精密鋳造株式会社(鋳造部品製造、山形県長井市)

企業概要

ロストワックス鋳造法により精度の高い鋳物を製造。1986年設立当初は水道管継手部品が主体だったが、2000年頃より自動車部品中心に切り替え。大量生産・低コストの鋳物製造を強みとし、国内自動車メーカー全社に納品実績があります。

脱炭素化の取組
エネルギー消費の状況
消費エネルギーの6割を溶解工程が占めているが省エネが困難な工程

具体的な対策

  • 省エネ診断の活用:山形県工業技術センターの電力等測定事業で電力量計の貸与を受け、主要設備の電力使用状況を把握するとともに省エネルギーセンターの省エネ無料診断を受け、実施すべき対策を絞り込み
  • 設備更新(2014年以降、国の補助金を活用):
    • インバータ付きコンプレッサー
    • 高効率貫流ボイラー
    • LED照明
  • 溶解工程以外での省エネ:消費エネルギーの6割を占める溶解電気炉の省エネは困難と判断し、別の工程での省エネを推進

得られたメリット

  • 光熱費削減:省エネ診断の提案に従って対策を実施し、光熱費を削減
  • 表彰:令和2年度に山形県環境保全推進賞、東北七県電力活用推進委員会委員長賞を受賞

成功のポイント

  • トップダウンとボトムアップの両立
    • 2008年頃、京都議定書に当時の社長が関心を持ち、事業継続には地球環境への配慮が必要と考えたことがスタート。現場から省エネアイデアを吸い上げる仕組みを構築。月に1回省エネ推進委員会を開催し、小さな運用改善のアイデアでも社内で共有

他企業へのアドバイス

1. 事業環境の変化をポジティブに捉え、早めに動き出す
グローバル企業はサプライヤーに再エネ使用を依頼しており、自動車業界でも顧客から省エネ取組状況を尋ねられることが増加。いずれサプライチェーン全体での環境対策が求められる時代が来るため、今から着手することが重要

2. 国や自治体の各種事業を積極的に活用
設備補助金だけでなく、省エネ診断事業も設備投資計画策定に非常に有用。診断結果の光熱費削減効果見込みは、実際の導入後も概ね想定通りだった

事例③ 中部産商株式会社(鋳造用耐火物製造、三重県四日市市)

企業概要
鋳造用耐火物として、ストレーナー(不純物除去フィルター)や湯口スリーブ(導管)の製造販売を手掛けています。1963年創業時は燃料の卸・小売販売だったが、1985年に工場を建設。全国の鋳物工場に販売し、中国・ベトナム・タイなどにも輸出しています。

脱炭素化の取組
エネルギー消費の状況

  • 光熱費のうち、焼成工程で使うガス代が年1200万円程度占めている
  • 主に乾燥工程で使う電気も年1000万円程度
  • 省エネ対策前の5年前はガス使用量が現在の倍近くあった

具体的な対策

  • トンネル炉の運用最適化:既設トンネル炉に流量計を設置し、燃焼空気及び燃焼ガスの流量を定期的に測定。M値(空気比)の管理を行い、運用を最適化
  • 焼成温度の最適化:補助金を活用して新型炉を導入し、製品の種類によって焼成温度を最適な温度に調整できるように。製品によって焼成炉を使い分け
  • 効果:これらの取組により効率が向上し、本社工場とは別にあった工場のトンネル炉を閉鎖。生産量は増加でもガス消費量を半分近く削減
  • その他の省エネ
    • 乾燥工程をガスから遠赤外線による電気乾燥に変更(省エネと品質向上を両立)
    • コンプレッサーを容量の小さいものに更新
    • 照明のLED化

得られたメリット

  • 光熱費削減:約一千万円の光熱費を削減
  • 拡販:多品種少量生産で原価割れだった製品も、大幅な省エネによって利益を出せるようになり、積極的に生産・拡販が可能に。これが更なる製造原価低減に結びつく好循環を創出。
  • 知名度向上:積極対応が業界内における知名度向上にも貢献。

特徴
省エネの効果は光熱費削減だけでなく、拡販や知名度向上といった経営全般に波及しています。

事例④ 河田フェザー株式会社(羽毛の加工及び精毛・羽毛製品の販売、三重県多気郡明和町)

企業概要
1891年(明治24年)創業の国内唯一の羽毛専業メーカー。羽毛の国内外における品質及び検査基準を作ってきたトップカンパニー。世界トップの安心・安全性、キレイさを誇る精製羽毛は国内大手の羽毛ふとんやダウンジャケットの素材として利用。羽毛業界世界初となるSBTやRE100にも加盟しています。

脱炭素化の取組
CO2排出状況(2019年3月から1年間)

  • Scope 1(自社内):489t-CO2
  • Scope 2(購入電力):674t-CO2
  • Scope 3(サプライチェーン全体):11,273t-CO2
  • 原材料に関わるCO2排出が最も多い状況

具体的な対策

  • ボイラー燃料転換:重油からLPガスに変更し、年間66t-CO2の削減を達成
  • 熱回収や地下水による水冷式エアコンを導入
  • 再エネ電気への切り替え:2022年4月1日から明和工場の電気を再エネ100%に切り替え、Scope 2の674t-CO2が大幅削減される見込み
  • 羽毛のリサイクル
    • 全国の300自治体と300企業と連携し、使用済み羽毛製品の回収ボックスを設置
    • 回収した羽毛を洗浄・回復加工してリサイクル
    • 2011年は13枚の回収が、2020年には8万枚(約100t)に増加
    • 充填量1kgの羽毛ふとんを焼却すると1.8kgのCO2が排出されるため、8万枚で180t-CO2を削減
    • リサイクル羽毛には「グリーンダウン」タグを付与
  • 副産物のリサイクル
    • 羽ゴミを肥料や飼料として再利用
    • 羽毛のアカやホコリを利用した特殊段ボールに再利用(約4,500kgのゴミを80万個分の段ボールに再利用し、約9,000kg-CO2を削減)

脱炭素経営のマインドセット

  • 基本的な考え:自社活動の環境負荷が高いことを自覚した上で、長期的な事業継続を見込んで取組を推進。
  • 品質へのこだわり:「自分・社員が使って安心なものしか売らない」ことを心がける。
  • 最新設備の導入:社長自ら設備業者に「こういうものがほしい」と具体的に伝える。
  • 背景:気候変動が鳥の生育ひいては羽根の品質にも影響する可能性も。良質な羽毛は適切なお手入れで100年単位で活用可能なため、品質の高い羽毛を活用するためにもリサイクルに取り組む
  • 仕組みづくり:省エネ設備の導入は資金を出せばできるが、リサイクル(羽毛循環の仕組みづくり)が非常に大変。多くの方々の協力があって良質な羽毛が回収できており、現場担当者の苦労と工夫が今の段ボールリサイクルにつながっている

特徴
原材料のリサイクルも含めて包括的に脱炭素経営に取り組むマインドセットが特徴的です。省エネ設備の導入だけでなく、循環型の仕組みづくりこそが真の脱炭素経営につながると考えています。

環境省 中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-(p.11-)
https://www.env.go.jp/content/900440895.pdf

まとめ

脱炭素経営は、優位性の構築からコスト削減、知名度向上、人材獲得、資金調達の優遇まで、多様なメリットをもたらします。成功の鍵は、6つのステップに沿った計画的なアプローチと、地域ステークホルダーとの連携です。先進企業の事例が示すように、トップの決意と現場の創意工夫、そして段階的な実行が、確実な成果につながります。脱炭素経営は未来への投資であり、今始めることで、持続可能な企業経営と競争優位性を同時に実現できるのです。

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