脱炭素社会実現への道|歴史的背景と未来への展望

CO2削減

産業革命以降、人類の経済発展とともに加速してきた地球温暖化問題。

2015年のパリ協定採択を契機に、世界は大きな転換点を迎えることとなりました。

いま、私たちは歴史的な岐路に立っています。

2050年カーボンニュートラル実現という野心的な目標に向けて、企業や自治体による具体的な取り組みが本格化し始めています。

しかし、この脱炭素への道のりには、技術革新、コスト、社会システムの変革など、複雑な課題が山積しています。

本コンテンツでは、脱炭素社会実現に向けた歴史的な背景から、パリ協定以降の世界的な潮流、そして日本における取り組みの現状まで、実務担当者の視点に立って詳しく解説していきます。

再生可能エネルギーの普及から新技術の開発まで、私たちはどのような未来を描くことができるのか。

サステナビリティ戦略の策定に携わる方々に、確かな道標となる情報を提供します。

脱炭素社会への注目が高まる背景

多くの人が環境について意識を高めるようになった今、脱炭素社会が注目を集めています。

この「脱炭素社会」というものが身近なものとなるまで、どのような背景があったのでしょうか。

気候変動と温室効果ガスの増加による地球規模の課題

世界中で異常気象が多発し、私たちの生活を脅かす気候変動問題が深刻化しています。

特に、2023年は世界各地で記録的な熱波や豪雨、大規模な山火事が発生し、気候変動の影響が一段と顕著になりました。

温室効果ガスの排出量は産業革命以降、急激に増加を続けています。特に二酸化炭素(CO2)の大気中濃度は、過去200万年で最も高い水準に達しています。

気象庁の観測地点における大気中の二酸化炭素の月平均濃度と季節変動を除いた濃度

このまま対策を取らなければ、2100年までに世界の平均気温が最大5.7度の上昇する予測されており、私たちの生活基盤を根本から揺るがす危機に直面しています。

脱炭素化の必要性

脱炭素化は、もはや選択肢ではなく必須の課題となっています。

その理由として、以下の3つが挙げられます。

  1. 地球温暖化による自然災害の激化を防ぐため
  2. 生態系の破壊を食い止めるため
  3. 将来世代に持続可能な社会を引き継ぐため

具体的な対策として、再生可能エネルギーへの転換や省エネ技術の開発、環境配慮型の製品開発などが進められています。

私たち一人ひとりの生活様式の見直しも、脱炭素社会実現への重要な鍵となっています。

近年の国際的な動き

世界各国が脱炭素社会の実現に向けて、具体的な目標を掲げて取り組みを加速させています。

2015年のパリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5度以内に抑える目標が設定されました。

日本も2020年に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、具体的な行動計画を策定しています。

企業でも、RE100への参加やサプライチェーン全体での排出削減など、積極的な取り組みが広がっています。

このように、政府、企業、市民社会が一体となって脱炭素社会の実現を目指す動きが、世界規模で加速しているのです。

脱炭素社会の歴史的背景

地球全体で「脱炭素社会」を目指すようになったのは、歴史的背景が大きく影響しています。

温室効果ガス排出削減のための世界的な取り組みの始まりについて、見ていきましょう。

温室効果ガス排出削減の取り組みの始まり

地球温暖化対策は、1960年代後半から科学者たちによって警鐘が鳴らされ始めました。

当時は、産業発展による大気汚染や環境破壊が深刻な社会問題となっていました。

研究者たちは、大気中の二酸化炭素濃度の上昇と地球の平均気温との関係性を指摘し、早急な対策の必要性を訴えました。

1970年代:環境保護運動と初期の規制強化

1972年、ストックホルムで国連人間環境会議が開催され、環境問題に関する初めての世界的な取り組みが始まりました。

この時期、世界各地で環境保護団体が設立され、市民レベルでの環境保護運動が活発化しました。

各国政府も環境規制を強化し始め、大気汚染や水質汚濁に関する法整備が進められました。

1997年:京都議定書の策定

京都議定書は、温室効果ガス削減に向けた初めての具体的な国際的取り決めとなりました。

先進国に対して、温室効果ガスの排出量を1990年比で平均5.2%削減することを義務付けました。

日本は6%削減を約束し、この目標達成に向けて様々な施策を実施しました。

エネルギー革命と技術の進化

脱炭素社会実現のために進められているエネルギー革命。それを支える技術の進化について見ていきましょう。

再生可能エネルギーの普及

再生可能エネルギーの導入は、2010年代から急速に拡大しています。

▼主な再生可能エネルギーの種類

  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • 地熱発電
  • バイオマス発電
  • 水力発電

この普及が進んでいる理由は、多くの国が政策的な支援を拡充しているためです。

たとえば、各国で再生可能エネルギーの導入を促進する補助金制度や税制優遇措置が設けられています。さらに、再生可能エネルギーの発電コストが年々下がっていることも追い風となっています。

今後さらに普及を加速させるためには、地域に根ざしたエネルギー政策やスマートグリッドの活用など、新たな取り組みが必要です。

技術革新がもたらしたコスト削減

技術革新は、再生可能エネルギーをより身近なものに変えています。
特に、エネルギー変換効率の向上と製造コストの低下は、脱炭素化への大きな一歩です。

たとえば風力発電ではタービンのサイズが拡大し、1基あたりの発電量が飛躍的に向上しました。

また、太陽光パネルでは薄膜技術や新素材の活用により、生産コストが削減されています。

企業だけでなく家庭のエネルギー革命も進んでおり、イーロン・マスク率いるテスラの家庭用蓄電池「Powerwall」は、電力を効率的に蓄える技術で高評価を受けています。

さまざまな技術革新によって、再生可能エネルギーが昼夜を問わず安定供給できる環境が整いつつあります。

現在の課題:脱炭素社会の実現に立ちはだかる壁

徐々に脱炭素社会の実現が近づいているとはいえ、私たちの前にはまだまだ大きな壁が立ちはだかっています。

主要排出国における政策的・経済的課題

世界の二酸化炭素排出量の約50%を占める主要国では、経済発展と環境保護の両立に苦心しています。

多くの国で、産業界からの反発や既存のエネルギーインフラへの依存が、脱炭素化への移行を遅らせています。

特に、化石燃料関連産業が強い影響力を持つ地域では、政策の実行が困難な状況が続いています。

中国、アメリカ、日本の現状と取り組み

主要排出国の現状(2024年時点)

国名CO2排出量シェア主な課題
中国約30%石炭発電への依存、急速な工業化
アメリカ約15%政策の一貫性不足、州ごとの対応の違い
日本約2.8%原発依存低下後の代替エネルギー確保、高コスト

インフラ整備と再生可能エネルギー普及の遅れ

再生可能エネルギーの導入には、送電網の整備や蓄電施設の建設が不可欠です。

しかし、これらのインフラ整備には莫大な費用と時間がかかることが課題となっています。

また、土地利用の制約や地域住民との合意形成の難しさも、普及の障害となっています。

▼具体的な課題

  • 送電網の容量不足
  • 蓄電設備の整備費用
  • 適地の確保の困難さ
  • 地域との調整コスト

発展途上国の脱炭素化へのサポートの不足

発展途上国では、経済発展を優先せざるを得ない状況が続いています。

先進国からの技術・資金支援は約束されているものの、実際の支援額は目標を大きく下回っています。

特に問題なのは、クリーンエネルギー技術へのアクセスが限られていることです。

▼具体的な支援の現状

  • 年間1000億ドルの支援目標に対し、2020年の時点で約830億ドル
  • 技術移転の遅れ
  • 人材育成プログラムの不足
  • インフラ整備支援の遅れ

これらの課題解決には、国際社会の協力体制の強化と、より実効性のある支援の仕組みづくりが求められています。

未来の展望:脱炭素社会に向けた革新的アプローチ

世界各国の具体的なロードマップと政策目標

脱炭素社会に向け、各国は具体的なロードマップを策定しています。
これらの計画は、国際社会全体での地球温暖化防止を目指すパリ協定を実現するために欠かせません。

たとえば、EUは「Fit for 55」政策を掲げ、2030年までに温室効果ガスを1990年比で55%削減する目標を設定しています。(2023年にEUは目標を引き上げ、57%削減に修正)
アメリカも「Net-Zero by 2050」を宣言し、再生可能エネルギーへの投資を加速中です。

これらの政策が示すのは、政府の積極的な関与が社会全体の脱炭素化を推進する力になるということ。

日本でも「2050年カーボンニュートラル」の目標に向け、再生可能エネルギーの拡充や電動車普及のための補助金政策が進められています。

これからは国際協力をさらに深め、技術や知見を共有する場を増やすことが重要です。

カーボンニュートラル目標

カーボンニュートラルとは、排出される温室効果ガスを吸収や回収で実質ゼロにする状態を指します。

この目標は、気候変動を抑えるための最終的なゴールとして多くの国や企業が掲げています。

国土交通省白書 2022第1節 脱炭素化を取り巻く動向

▼主要国のカーボンニュートラル目標年

国・地域目標年主な施策
EU2050年炭素国境調整、再エネ普及
日本2050年水素活用、省エネ推進
中国2060年再エネ投資、森林保全
インド2070年クリーンエネルギー転換

企業ではAmazonやGoogleが自社運営でのカーボンニュートラルを達成するため、再生可能エネルギー100%の運用を目指しています。

産業界での技術革新

産業界の技術革新は、脱炭素社会の実現を後押しします。

具体的にはどのような取り組みが進められているのでしょうか。

水素エネルギー、炭素回収技術の可能性

水素エネルギーと炭素回収技術(CCUS)は、脱炭素化の切り札です。
特に、水素は燃焼時にCO2を排出しないため、未来のクリーンエネルギーとして期待されています。

現在、グリーン水素の生産コストが高いという課題がありますが、技術革新によってコストが大幅に削減されています。
たとえば、オーストラリアや日本では、グリーン水素を利用した発電実験が進んでいます。

一方、炭素回収技術では、工場や発電所からのCO2を回収し、地中に貯留する技術が普及し始めています。
この技術は、大規模なCO2排出源に特に有効です。

持続可能な輸送手段の進化

輸送部門の脱炭素化も重要な課題です。

電気自動車(EV)の普及が加速し、2035年までに多くの国で新車販売のEV化が計画されています。

また、公共交通機関の電動化や自転車シェアリングなども解決策のひとつとなるでしょう。

ヨーロッパでは2035年以降、ガソリン車の販売を禁止する方針が多くの国で採用されています。
また、日本では、電動車の価格を下げるための補助金や充電インフラの整備が進行中です。

さらに、航空業界では持続可能な航空燃料(SAF)が開発されており、実用化が進んでいます。
これにより、長距離輸送の脱炭素化も可能になります。

持続可能なライフスタイルへの転換

持続可能なライフスタイルは、個人の行動で実現できます。
省エネやエコ商品購入、フードロス削減など、日常の選択が大きな影響を与えます。

例えば、家庭での再生可能エネルギーの導入や、プラスチック使用量の削減が挙げられます。

▼ 具体的な変化の例

  • スマートホームを選択
  • 省エネ家電の標準化
  • 買いすぎを控える
  • フードロス削減を意識
  • エコ商品を選ぶ

これにより、個々の家庭でも脱炭素化に貢献できます。

新たなライフスタイルを定着させるためには、教育や啓発活動を通じて、持続可能な選択が自然にできる社会を作る必要があります。

消費者行動の変化と地域コミュニティの役割

消費者行動の変化も脱炭素社会の実現に重要です。
ローカル経済やシェアリングエコノミーの利用が環境負荷を減らす効果をもたらします。

環境に配慮した消費行動が広がっています:

  • リサイクル・リユースの促進
  • 地産地消の推進
  • シェアリングエコノミーの活用
  • 省エネ住宅の普及

地域での農産物の消費や中古品の活用進むことで、輸送や製造で発生するCO2を削減できます

また、地域コミュニティでもさまざまな取り組みが行われています。

  • ご近所での太陽光発電の共同購入
  • 地域エネルギーの地産地消
  • フードロス削減の取り組み
  • エコ活動の普及啓発

これらの活動を通じて、私たち一人一人が脱炭素社会の実現に貢献できます。

日本の取り組み:政策と成功例

脱炭素社会実現に向けて、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

グリーン成長戦略とカーボンニュートラル目標

日本は、2050年までにカーボンニュートラル(実質的な温室効果ガス排出ゼロ)を達成する目標を掲げています。

その実現に向けた具体的な取り組みとして、グリーン成長戦略が策定されました。

  1. エネルギー
    • 再生可能エネルギーの拡大(特に太陽光、風力)
    • 水素エネルギーの普及
    • 炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術の導入
  2. 輸送・モビリティ
    • 電動車(EV)、燃料電池車(FCV)の普及
    • 航空・海運での脱炭素燃料利用
  3. 産業
    • グリーン鉄鋼やセメント製造技術の開発
    • 脱炭素化に寄与するデジタル技術の活用
  4. 住宅・建築
    • ゼロエネルギービル(ZEB)や住宅(ZEH)の普及
    • 省エネ家電の導入促進

これは、経済成長と環境保全を両立させるための政策で、再生可能エネルギーの拡充や産業界でのイノベーションを通じて持続可能な社会を目指します。

また、カーボンニュートラル達成に向けた取り組みも、着々と進んでいます。

  • 2030年目標
    •  2013年比で温室効果ガスを46%削減(野心的に50%削減を目指す)
  • 再生可能エネルギーの割合
    • 2030年までに全電力供給の36~38%を目指す
  • イノベーション投資
    •  公的資金や民間の研究開発費を活用し、新しい技術の実用化を加速

企業の先進的な取り組み

  1. セブン&アイ・ホールディングス
    セブン&アイ・ホールディングスでは、「GREEN CHALLENGE 2050」を推進し、2050年までにCO₂排出量を2013年度比で80%以上削減する目標を掲げています。

セブン&アイ・ホールディングス:排出量実質ゼロへの挑戦

▼施策

  • 調光機能のあるLED照明の使用
  • 地球温暖化への影響が少ない冷蔵冷凍設備の導入
  • フードロス対策のため、冷凍食品の種類を増やす
  • 包装容器を改善しプラスチックを削減
  1. 東芝
    東芝は「環境未来ビジョン2050」を策定し、2030年までに2019年度比で温室効果ガスの排出量を70%削減することを計画しています。

東芝:環境 わたしたちが住む、かけがえのない地球環境のために

2050年にバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成するため、「気候変動への対応」「循環経済への対応」「生態系への配慮」の3つのカテゴリに対して具体的なKPIを定め、カーボンニュートラルの実現を目指します。

  1. 三井不動産
    三井不動産は、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2019年度比で40%削減し、2050年度までにはゼロにするという目標を設定しています。

三井不動産:脱炭素社会実現への取り組み

同社では、新築・既存の建物の環境性能向上や、物件共用部および自社利用部の電力を再生可能エネルギーに切り替えるなど、多岐にわたる取り組みを実施しています。

  1. セコム
    セコムは2021年、「セコムグループ カーボンゼロ2045」を発表し、2045年までに温室効果ガスの排出をゼロにすることを目標に掲げました。

セコム:地球温暖化防止

2030年度までに2018年度比で45%削減を目指し、省エネ機器の導入や電気自動車の活用など、具体的な取り組みを進めています。

  1. 味の素グループ
    味の素グループは、2050年までにサプライチェーン全体で温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指しています。

味の素グループ、カーボンにートラルを新たな目標に設定

同社は、電力を100%再生可能エネルギー化することを目指すRE100に参加しており、川崎市の産業エリアをカーボンニュートラル化するプロジェクトにも参画しています。

RE100とは、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブのこと。日本ではイオン、ソニー、リコー、富士通など大手企業を含めた約90社が参加している。

地方自治体や市民活動の役割

全国の自治体で、独自の環境政策が展開されています。

横浜市のゼロカーボンシティ計画や、鎌倉市のプラスチックフリー政策など、地域特性を活かした取り組みが進んでいます。

▼市民活動の具体例

  • 町内会での太陽光発電の共同購入
  • 地域の清掃活動
  • 環境学習会の開催
  • フードロス削減運動

これらの活動は、地域コミュニティの絆を深めながら、環境保護にも貢献しています。

各地域での実践が、日本全体の脱炭素化を支える重要な基盤となっているのです。

▼地域の取り組み成果

  • エネルギー使用量の削減
  • 環境意識の向上
  • コミュニティの活性化
  • 地域経済の循環促進

このように、政府・企業・地域が一体となった取り組みが、日本の脱炭素社会実現への歩みを確実に前進させています。

未来の世代への責任としての脱炭素社会

持続可能な未来を子どもたちに託すため、私たちが今起こすべき行動とは?個人・企業・国家、それぞれの役割を解説します。

現在の行動がもたらす長期的な影響

私たちの現在の行動は、未来の地球環境を大きく左右します。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)6次評価報告書によると、今後10年の取り組みが、今世紀末の地球環境を決定づけるとされています。

海面上昇による島国の消失や、干ばつによる食料危機は、将来世代が直面する現実となる可能性があります。

また、温暖化に伴う感染症の拡大も懸念されます。

今の行動が未来を決定づける以上、私たちは化石燃料の使用を減らし、再生可能エネルギーへの転換を急ぐべきです。

教育を通じて子どもたちに環境問題への理解を深めることも、大きな責任と言えます。

個人・企業・国家が果たすべき役割の重要性

脱炭素社会の実現には、個人・企業・国家のすべてが責任を果たすことが求められます。

どのレベルでも行動が必要であり、これらが連携することで効果が最大化されます。

▼それぞれの立場でできること

個人レベル
  • エコ製品の選択
  • 省エネ行動の実践
  • 環境教育への参加
企業レベル
  • 事業活動の脱炭素化
  • 環境技術の開発
  • サプライチェーンの見直し
国家レベル
  • 法整備と規制
  • 国際協力の推進
  • 技術開発支援

さらにこれらの取り組みを統合的に進めるために、情報共有の場を設けたり、官民一体のプロジェクトを促進することが有効です

地球規模の協力が必要な理由

気候変動は国境を超えた問題であるため、地球規模での協力が欠かせません。一国がどれだけ努力しても、他国が同様に取り組まなければ、温室効果ガス削減の効果は限られます。

▼国際協力が必要な理由

  • 大気は国境を越えて循環している
  • 技術や知識の共有が必要
  • 経済活動がグローバル化している
  • 途上国支援が不可欠

国際会議「COP」では、パリ協定に基づき各国が削減目標を共有し、達成状況を報告しています。

また、先進国が途上国へ技術や資金を提供することで、地球全体での温暖化対策が進められています。

▼具体的な協力の形

  • 技術移転プログラム
  • 資金支援の仕組み
  • 国際的な研究開発
  • 環境規制の調和

国際協力をさらに強化し、資金提供や技術移転の仕組みを簡素化することが求められます。

また、地域ごとの取り組みを促進し、地球規模の連携を地域レベルから支える体制が必要でしょう。

まとめ

脱炭素化は、私たちの社会における最重要課題の一つとして、その動きが加速しています。 

先進国を中心に、2050年までの温室効果ガス実質ゼロを目指す取り組みが広がりを見せている今。欧州連合(EU)は「グリーンディール」政策を打ち出し、アジアでも韓国や日本が積極的な目標を掲げています。

 各国政府による規制強化や支援策の拡充に加え、環境NGOの活動も活発化しており、企業の環境対策における要求水準は年々高まっています。 

このような世界的な潮流の中で、企業には環境と経済の両立という新たな挑戦が求められています。環境への取り組みは、もはや企業の持続的成長に欠かせない要素となっているのです。

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