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「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」への参加企業・業界団体等の決定について

基礎知識

環境省が「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」の参加企業・団体を決定し、日本の脱炭素社会実現に向けた新たな一歩を踏み出しました。この取り組みは、製品やサービスの環境負荷を「見える化」し、消費者の選択を通じて持続可能な社会を構築するという試みです。

参照:環境省:「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」への参加企業・業界団体等の決定について
https://www.env.go.jp/press/press_03362.html

環境省モデル事業の概要と選定企業

環境省は、CFPの算定・表示に取り組む企業・業界団体等を支援するモデル事業を実施しています。このたび、厳正な審査を経て、以下の企業・団体が選定されました。

支援カテゴリ企業・団体名
個社支援
  • 株式会社I-ne、山田製薬株式会社
  • 株式会社ゴールドウイン
  • レコテック株式会社
  • 佐川急便株式会社
業界団体・企業群支援文具業界グループ
  • 一般社団法人全日本文具協会
  • プラス株式会社
  • コクヨ株式会社
  • シヤチハタ株式会社
  • ニチバン株式会社
  • 株式会社リヒトラブ
  • ゼブラ株式会社
 靴業界グループ
  • チヨダ物産株式会社
  • 東邦レマック株式会社
  • TOSMAX株式会社
  • 株式会社ダイマツ
  • 山三商事株式会社

これらの企業・団体は、自社製品・サービスのCFP算定、削減目標・対策の検討、消費者へのCFP表示の実施などに取り組みます。また、業界団体・企業群は、業界共通のCFP算定・表示ルールの策定を目指します。

環境省がモデル事業を選んだ理由

環境省がこのモデル事業を実施する背景には、以下のような理由があります

理論だけでなく、実際の企業活動を通じてカーボンフットプリント(CFP)算定・表示の課題や最適な方法を把握するため

異なる業種や製品特性に応じたCFP算定・表示の方法を検討し、より汎用性の高いガイドラインを作成するため

モデル企業の取り組みを通じて、他企業が参考にできる先進事例を生み出すことを目指す

CFP表示に対する消費者の反応を実際の市場で確認し、効果的な情報提供方法を探るため

業界団体や企業群の参加により、業界全体でのCFP算定・表示の標準化を促進するため

このモデル事業を通じて得られた知見は、今後のCFPガイドラインの改訂や関連政策の立案に活用される予定です。

カーボンフットプリントとは

カーボンフットプリントとは、製品やサービスのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの総量を二酸化炭素(CO2)に換算して数値化したものです。原材料の調達から製造、流通、使用、廃棄・リサイクルまでの各段階で発生するCO2排出量を合計して算出します。
例えば、1枚のTシャツのカーボンフットプリントを計算する場合、綿花の栽培や収穫、糸への加工、布地の製造、縫製、輸送、販売、使用時の洗濯、最終的な廃棄まで、すべての過程で発生するCO2量を足し合わせます。この「見える化」により、消費者は製品の環境負荷を知ることができ、企業は製品の環境性能向上に向けた具体的な指標を得ることができます。

モデル事業がもたらす社会変革

このモデル事業を通じて、多様な社会変革が期待されます。環境配慮型製品の普及が進み、カーボンフットプリント(CFP)の「見える化」により消費者の製品選択に変化が生まれるでしょう。これに伴い、企業は環境配慮型製品の開発・販売に一層注力し、市場全体がより持続可能な方向へシフトしていくと予想されます。同時に、消費者の意識改革も進むでしょう。製品のCO2排出量を知ることで環境意識が高まり、日々の買い物を通じて自分の選択が地球環境に与える影響を実感できるようになり、より責任ある消費行動につながることが期待されます。

企業の環境戦略も進化し、CFP算定を通じて自社製品の環境負荷を詳細に把握できるようになります。これにより、より効果的な環境対策を講じることが可能になり、企業の環境戦略が高度化していくでしょう。さらに、業界全体の底上げも期待されます。業界団体・企業群による共通ルールの策定により、小規模企業も含めた業界全体でのCO2削減の取り組みが加速していくことが考えられます。

加えて、CFP削減に向けた取り組みは新たな技術やビジネスモデルの創出につながる可能性があります。省エネ技術の開発や循環型ビジネスモデルの構築などが促進され、環境技術分野でのイノベーションが加速するでしょう。これらの変革が相互に作用し合うことで、持続可能な社会の実現に向けた大きな推進力となることが期待されます。

今後の展望

カーボンフットプリントの「見える化」は、持続可能な消費社会の実現に向けた重要なステップです。今回のモデル事業を通じて、CFP算定・表示の具体的な方法論が確立され、その有効性が実証されることで、より多くの企業がCFPに取り組むようになるでしょう。
消費者にとっては、製品選択の新たな判断基準としてCFPが定着し、日々の消費行動を通じて環境保護に貢献できるようになります。企業にとっては、CFPを通じた環境対策が新たな競争力の源泉となり、環境と経済の好循環が生まれることが期待されます

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