コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業補助金の公募について

法改正やルール

環境省 令和6年度「コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業」の公募が開始されました。

フロン類ではなく、アンモニア、二酸化炭素、空気、水等の自然界に存在する物質を冷媒として使用した冷凍・冷蔵機器「自然冷媒機器」への転換の促進、また、過渡期においては、既設機からのフロン排出抑制に取り組む必要があり、それらを推進するために事業が行われます。

国民生活に欠かせないコールドチェーンを支える冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗を営む中小企業等の脱炭素型自然冷媒機器の導入費用に対しての補助があります。以下で補助事業の内容を詳しく見ていきましょう。

コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業補助金の公募について

本補助金の目的

本補助金は、エネルギー起源二酸化炭素の排出の抑制及び温室効果ガスであるフロン類の排出の抑制のための冷凍冷蔵倉庫及び食品製造工場に用いられる脱炭素型自然冷媒機器並びに食品小売店舗におけるショーケースその他の脱炭素型自然冷媒機器を導入する事業を行うことにより、脱炭素型自然冷媒機器の普及を促進し、もって地球環境保全に資することを目的としています。具体的には、以下の4つの目的が掲げられています。

① モントリオール議定書に即した代替フロンの着実な削減の実行のため、代替フロンから自然冷媒への転換を支援
② 省エネ、再エネ活用に取り組む事業者への積極的な支援により、コールドチェーンの脱フロン化・脱炭素化を推進
③ 一定の需要を生み出すことにより自然冷媒機器の低価格化を促進
④ フロン排出抑制法の取組強化と相まった温室効果ガスの大幅削減に向けた検証

※脱炭素型自然冷媒機器とは「同等の冷凍・冷蔵の能力を有するフロン類を冷媒として使用した冷凍・冷蔵機器と比較してエネルギー起源二酸化炭素の排出が少ないもの」を言います。

対象となる事業

冷凍冷蔵倉庫に用いられる脱炭素型自然冷媒機器を導入する事業
農畜水産物等の生鮮品や加工品及びそれらの凍結品などの物品を常時低温域で保管するための倉庫を言います。

食品製造工場に用いられる脱炭素型自然冷媒機器を導入する事業
消費者がその食品自体を直接飲食することを目的とした食品及びその原材料を製造・加工する工場を言います。

食品小売店舗におけるショーケ-スその他の脱炭素型自然冷媒機器を導入する事業
食品小売を目的とした店舗で、大別して、フランチャイズ形態のコンビニエンスストア及びそれ以外の食品小売店舗(スーパーマーケットやドラッグストア等々)を言います。

脱炭素型自然冷媒機器の例でいうと、食品製造ラインのフリーザーや、中央方式冷凍冷蔵機器、小売店舗などの冷凍冷蔵ショーケースとなります。既存設備の更新だけでなく、新設や増設でも申請可能です。ただし、冷凍冷蔵車や冷凍冷蔵船での自然冷媒機器は補助対象となりません。また自然冷媒を使用した機器であっても、厨房設備として使用される比較的小型の冷凍機が内蔵された冷凍庫・冷蔵庫・冷水機・製氷機などは、冷凍冷蔵倉庫や食品小売店舗のショーケースに該当しないことから、補助対象とはなりませんので、事前にしっかり確認しておきましょう。

申請期間と補助額

申請期間は令和6年4月18日~令和6年5月24日
令和6年度予算にて執行される今回の補助事業の実施期間は、原則として交付決定日以降から令和7年2月28日まで(単年度事業)となります。 ただし、複数年度事業(国庫債務負担行為の事業)に該当する事業は、初年度の交付決定日以降から翌年度の令和8年2月28日まで(2箇年度)とすることができます。

補助率:原則1/3以下
1事業者当たりの補助金:5億円まで
(フランチャイズ形態のコンビニエンスストアにあっては、2億5千万円まで)となります。

※補助金の予算の範囲で補助事業を選定し、補助金を交付します。また、対象事業の要件に適合する提案であっても、応募内容によっては補助額の減額または不採択とする場合もあります。
※大企業に関しては、自然冷媒機器への転換に先導的に取り組んでいることを条件とし、かつ、再エネ活用や高水準の省エネ化の取組を評価します。
※自然冷媒機器導入費用に対する補助であり、再エネ設備等の導入費用は補助対象外となります。

お問い合わせ先

一般財団法人日本冷媒・環境保全機構 事業支援センター
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館
T E L :03-5733-4964
F A X :03-5733-4965
E-mail:kankyo-hojokin@jreco.or.jp
U R L :https://www.jreco.or.jp/index.html

まとめ

記録的な暖冬の2024年は、気温の上昇に歯止めがかからず、4月に入って30度近い気温になる日もあります。記録的な暖冬となった要因のひとつに2023年春に発生したエルニーニョ現象の発生のより、冬型の気圧配置が長続きせずに寒気の流れ込みが弱くなったからと考えられています。今年も猛暑となった場合、冷凍冷蔵製品の流通が多くなり、電気代も増えることが予想されます。性能のよい機器への交換を考えているのであれば、本補助金を活用してみてはいかがでしょうか。

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