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VCSとは世界で最も汎用されている温室効果ガス削減のプロジェクトから発行されるクレジットの認証基準

基礎知識

今回は、多くの事業者の皆様も注目しているクレジット(*1)の認証基準に関する内容をご紹介いたします。
VCS、VER、JI…とカーボンクレジットに関連する用語だけでも、数多くの略語が登場します。
その中で、今回取り上げるのは、ボランタリークレジット(*2)の一つであるVCSです。

本コンテンツでは、VCSの概要を把握し、各クレジットと認証基準の特性を確認しながら、関連する市場全体の動向について確認していきます。

略語 概要
VCSVerified Carbon Standard温室効果ガス削減のプロジェクトから発行されるクレジットの認証基準。
CDMClean Development Mechanism先進国が、数値目標が課せられていない発展途上国において排出削減プロジェクを行うことで排出削減を実現した分が、排出権として創出されるメカニズム。
排出権は、プロジェクトに応じて、先進国/発展途上国で分配され、その排出権は売買できる。
IETAThe International Emissions Trading Association国際排出量取引協会。
JIJoint Implementation先進国同士が共同で地球温暖化対策の事業を行い、その結果の削減分を当該事業の投資国と事業受け入れ国で分けることができる制度。
TCGThe Climate Group温室効果ガスのネットゼロ排出の持続可能な社会と経済を⽬指す英国に本部を置く国際NPO団体。
VERVerified Emission Reduction第三者認証排出削減量。温室効果ガスの削減・吸収量について発行されるクレジットであって、京都議定書、EU域内排出量取引制度等の法的拘束力をもった制度に基づいて発行されるクレジット以外のものを言う。
国内では環境省により2008年にオフセット・クレジット(J-VER)が創設され、2013年度に国内クレジット制度と統合した新制度であるJクレジットとして運用されている。
WBCSDThe World Business Council for Sustainable Development持続可能な開発のための世界経済人会議。
WEFThe World Economic Forum世界経済フォーラム。

関係省庁HPより筆者作成

(*1) 温室効果ガスの削減量が信用できるものであることを認証し、主に企業間でそれらの排出削減量を売買できる仕組みのこと。
(*2) クレジットの中でも、NGOや民間が主導となり、国や自治体による規制を受けることなく、自由な活用が可能となっているもの。

VCSとは

Verified Carbon Standardの略で、世界で最も汎用されている、企業や団体、個人が行う温室効果ガス削減のプロジェクトから発行されるクレジットの認証基準のことを表しています。IETA、TCG、WBCSD、WEF により、2005 年末に開発されました。 現在、国際的なカーボンオフセット基準管理団体であるVerra社(米)によって管理されており、世界中の様々なプロジェクトが認証を受けています。

環境省:VER(Verified Emission Reduction)認証機関・方法の概要
©https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset/conf/03/mat02.pdf

VCSにおいて、具体的なプロジェクトの設計書の作成(PDD)からクレジット発行までの流れは、以下の通りになっています。

一般社団法人 日本森林技術協会:第5章 VCSの概要について
©https://www.ffpri.affrc.go.jp/redd-rdc/ja/reference/03/201301_applied1_chap05.pdf

経済産業省:国内外におけるクレジット活用拡大動向について
©https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/003_01_00.pdf

 

各クレジットと認証基準の特性

クレジット制度は、主導元が①国の場合と、②NGO・民間の場合の2つのケースがあります。

国が主導しているクレジットは、国や地域の規制に基づいて施行されているため、コンプライアンス市場や規制市場と呼ばれています。また、コンプライアンス市場とは、京都議定書やEU-ETSなどの法的拘束力のある制度のもとで扱われるクレジット市場のことを指します。

一方、NGOや民間の団体が主導しているクレジットはボランタリークレジットと呼ばれます。
VCSは、このボランタリークレジットの認証基準となっており、企業や団体の自主的なクレジット活用が求められています。

経済産業省:国内外におけるクレジット活用拡大動向について
©https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/003_01_00.pdf

 

海外におけるボランタリークレジット市場の動向

海外のボランタリークレジットの市場においては、VSC、CCB、Gold Standardが主要制度となっており、2018年以降クレジットの需要が急激に増加しています。

経済産業省:国内外におけるクレジット活用拡大動向について
©https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/003_01_00.pdf

経済産業省:国内外におけるクレジット活用拡大動向について
©https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/003_01_00.pdf

まとめ

本コンテンツでは、VCSの概要把握から、ボランタリークレジットの市場全体の動向について確認してきました。

クレジットの市場は年々拡大しているため、VCSにも更なる注目が集まることが予測されます。特に、民間セクターが主導であるVCSやGold Standardなどのボランタリークレジットは法的拘束力がなく、国が主導である各種クレジット制度に比べて政策的な制約が生じない点も大きなポイントです。

環境へ配慮した脱炭素経営に向けては、このような制度への積極的な参加も必要になってくるのではないでしょうか。

本コンテンツ、並びにCO2排出量の算定に関しご質問がございましたら、弊社までお問い合わせ下さい。

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