令和5年度脱炭素都市づくり大賞受賞事業の概要

法改正やルール

政府では、ネットゼロ、循環型、ネイチャーポジティブな経済・社会システムへの転換を統合的に進めることとしており、特にネットゼロの観点では我が国の2030 年度の46%温室効果ガス削減や2050 年ネットゼロの国際公約の達成に向けては、世界の温室効果ガス排出量の7割、エネルギー需要の6割以上を占める都市の脱炭素移行が不可欠です。
また、都市部において、気候変動への対応に加えて、生物多様性の確保やWell-being の向上に向けて、「まちづくりGX」の取組の強化を図ることとしています。
そこで、2030 年度までにネットゼロの実現を目指すとともに、まちづくりGX や資源循環・ネイチャーポジティブの推進に取り組む、優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰し、好事例として国内外に発信することにより、脱炭素型の都市づくりを促進しており、第1回目となる「脱炭素都市づくり大賞」においては、脱炭素の観点はもとより、都市に期待される様々な観点で優れた都市開発の取組の応募がありました。厳正な審査の結果、「国土交通大臣賞」及び「環境大臣賞」の候補を各1件選定し、国土交通省及び環境省において大賞として決定するとともに、総合的に優れた取組や、他のモデルとなる特徴的な取組について、4件の「特別賞」を選定することといたしました。今回受賞された取組は、全国のモデルとなるような取組として審査委員会の高い評価を得たものです。

出典:https://policies.env.go.jp/policy/roadmap/prize/

【国土交通大臣賞】麻布台ヒルズ

所在地:東京都港区虎ノ門5丁目、麻布台1丁目および六本木3丁目の各地内
申請者:森ビル(株)
事業概要:周辺にホテルや大使館が多く集まる、グローバルで文化的にも豊かなエリアにおいて、オフィス・レジデンス・商業施設・マーケット・ホテル・ギャラリー・医療施設などの多様な都市機能が集積した再開
発事業。(2023年11月開業)

選定理由:事業地内のビルは高い省エネ性能を有していると共に、民間で国内初となる都市部の下水熱 利用も含めたエネルギーネットワークを形成し、気象予報や運転実績データからAIによる負荷予測に合わせた最適な運転計画により電気・熱を事業地内の複数ビルに供給することで、エネルギーの面的利用によるエネルギー利用の効率化の取組を行っています。また、自治体計画に沿ったエコロジカルネットワークを構想し、民有地として2haを超える緑化空間を整備する中で、在来植物を多く使用するとともに、果樹園・菜園など、体験やコミュニケーションの場を設けており、極めて良質な都市の緑地の創出の取組を行っています。これらの観点から、総合的に特に優れた取組であるとして高く評価されました。

【環境大臣賞】イオンモール豊川

所在地:愛知県豊川市白鳥町兎足1-16
申請者:イオンモール(株)
共同申請者:清水建設(株)、Daigasエナジー(株)
事業概要:2014年に閉鎖が発表されたスズキ豊川工場の跡地に立地する東三河地区最大級の商業施設。 “にぎわい拠点”の役割が期待されると共に、持続可能な社会を実現する施設を目指す。(2023年3月竣工)

選定理由:延べ床面積10万㎡以上の施設として初めてZEB Ready認証を受けており、商業施設の脱炭素のモデルといえる高い省エネ性能を有しています。
また、資源循環の観点で、オンサイト型バイオガス発生設備及びコージェネレーション設備を設置し、施設内で出る食品残渣を電力・温水として活用し、廃棄物を大幅に抑制しています。さらに、自宅の再エネで充電したEVから建屋内へ放電を行うことを目的としたV2B設備を導入し、対価としてショッピングに利用できるポイントを付与することにより、EVを媒体とした地域内再エネ融通を促進しており、EV保有者の行動変容に大きく寄与しています。これらの観点から、総合的に特に優れた取組であるとして高く評価されました。

【特別賞】グラングリーン大阪

所在地:大阪府大阪市北区大深町 ほか
申請者:三菱地所(株)
共同申請者:大阪ガス都市開発(株)、オリックス不動産(株)、関電不動産開発(株)、積水ハウス
(株)、(株)竹中工務店、阪急電鉄(株)、うめきた開発特定目的会社(出資者:
(株)大林組)、(独)都市再生機構、(株)日建設計、(株)三菱地所設計
事業概要:西日本最大の交通拠点であるJR大阪駅など多くの鉄道駅が集まる交通至便な立地条件にあり、 2013年開業した先行開発区域(グランフロント大阪)に続き、オフィス、ホテル、中核機能、商業、都市公園を主要用途とした、うめきた2期地区開発プロジェクト。(2027年度全体まちびらき)

選定理由:地域冷暖房、CGS*(廃食油や生ゴミ等からのメタンガスも使用)など様々な熱エネルギー施設を効率的に運用し、事業地外とも面的に熱融通する計画であると共に、夏期冬期の温冷廃熱を活用する帯水層蓄熱を全国初で実装しており、エネルギー削減、効率化に取り組んでいます。また、周辺の水辺空間や緑地空間と連携し、地域の生態系ネットワークを形成し、拠点となることをめざして、約4.5haの緑豊かな都市公園を公民連携により整備するとともに、その他の民間敷地内も一体的に緑化しており、良質な都市の緑地の創出に大きく寄与しています。これらの観点から、総合的に優れた取組であるとして高く評価されました。

【特別賞】東京ポートシティ竹芝

所在地:東京都港区海岸一丁目7-1
申請者:東急不動産(株)
共同申請者:島建設(株)
事業概要:東京都公募「都市再生ステップアップ・プロジェクト」の官民連携による再開発プロジェクト。事務所、展示場、飲食店舗等を主要用途とし、浜松町駅から竹芝ふ頭までの空中歩行者デッキを一体的に整備する事業。(2020年5月竣工)

選定理由:事業地内のビルは高い省エネ性能を有しており、電炉鋼や高炉スラグ高含有セメントを用いたコンクリートの使用による製造段階のCO2削減に取り組んでいると共に、遠隔での空調や電気の調整が可能なアプリの導入により、入居テナントの省エネ行動の促進につなげています。
また、緑化テラスにおいて隣接庭園の生物調査に基づく在来種を主体とした緑地を創出すると共に、ハヤブサやミツバチの巣箱の設置による生態系の保全や活性化を図ることなどにより、地域のエコロジカルネットワークを形成し、ネイチャーポジティブに大きく貢献しています。これらの観点から、総合的に優れた取組であるとして高く評価されました。

【特別賞】日本橋室町三井タワー

所在地:東京都中央区日本橋室町三丁目2-1
申請者:三井不動産(株)
事業概要:地上26階、地下3階建の大規模複合開発。
地下階への大規模エネルギーセンターの設置と共に、全長5,500mにもおよぶ開削・推進工事を実施し、既存周辺ビル含む約20棟(電気18棟、熱8棟)に及ぶ広域エネルギーネットワークを形成。(2019年3月竣工)

選定理由:発電効率の高い大規模エネルギーセンターの設置と共に、事業区域内外の関係者との連携・協力体制の構築により、事業地周辺一帯にエネルギーネットワークを構築し、まちに電気と熱を供給することで、エネルギーの平準化、効率化に大きく寄与しています。
エネルギー効率化に大きく貢献するまちづくりの観点で特徴的な取組として高く評価されました。

【特別賞】小諸市中心拠点コンパクトシティプロジェクト

所在地:長野県小諸市中心市街地(都市機能誘導区域内中心拠点区域)
申請者:長野県厚生農業協同組合連合会浅間南麓こもろ医療センター
共同申請者:(株)シーエナジー、信州大学、(株)石本建築事務所、(独)都市再生機構東日本都市再生本部、(株)URリンケージ、長野県小諸市
事業概要:市が掲げる「低炭素まちづくり計画」に基づき、総合病院、市庁舎、図書館、市民交流センターを集約・再構築し、エネルギーの面的利用による温室効果ガスの削減に取り組む事業。地域で生産される太陽光・小水力・バイオマス等多様な再エネを活用。(2028年度事業完了予定)

選定理由:自治体の都市機能誘導計画に応じて、自治体と連携して、施設を集約化すると共に、エネルギーの面的利用を行うことで、スケールメリットを活かしたエネルギー利用の効率化を実現しています。また、下水熱の利用も含め、多様な再生可能エネルギーの活用も行っています。地方小都市における都市機能の集約化と合わせた脱炭素まちづくりのモデル事例と言えるもので、地域特性に応じた特徴的な取組として高く評価されました。

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