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【持続可能な開発検証済み影響基準】SD Vistaとは?基準や取り組みの流れまで解説

基礎知識

「SD Vista」とは何か聞いたことはあるでしょうか。「SD Vista」とは、企業がSDGsにどれだけ貢献しているかを評価するための認証プロジェクトです。

国連が採択したSDGsに取り組むことは今や世界的な流れであり、次世代に持続可能な社会を残していくためにも重要です。
特にESG投資にも大きな影響を与えているため、企業におけるSDGsへの取り組みは今後ますます重要になると言えるでしょう。

今回は、「持続可能な開発検証効果基準」である「SD Vista」について解説します。自社のSDGsへの取り組みを評価したい企業担当者は、ぜひご一読ください。

SD Vistaとは、企業のプロジェクトがSDGsにどれだけ貢献しているかを評価・認証するもの

SD Vista(Sustainable Development Verified Impact Standard)は、「Verra」が運営する社会および環境プロジェクトの現実世界の利点を認証するための最高基準の制度です。

日本語では「持続可能な開発検証効果基準」とも呼ばれ、経済発展からジェンダー平等や、クリーン エネルギー推進、野生動物保護に至るまで、SDGs目標におけるあらゆる項目をカバーしています。

社会課題や環境的利点に関する信頼できるデータを、開発者と投資家に提供することで、持続可能な開発への大規模な投資を促進することが目的です。

SD Vistaは「Verra」による認証プログラム

「Verra」は、米国ワシントンDCに本社を置く国際的なカーボンクレジット基準管理団体です。気候変動対策活動から得られる排出削減量・吸収量を認証し、クレジットとして発行させる認証スキーム「Verified Carbon Standard(VCS)」を管理・運営している組織です。VCSによるクレジットは、世界で最も広く使用されており、民間企業等でも活用されています。

SDGsについて簡単に解説

まずはSD Vistaの根幹となるSDGs目標について、簡単に解説しましょう。

SDGsの成り立ち

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略であり、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。だれ一人取りこぼさない持続可能な社会を築くための目標で、17のゴール(目標)と169のターゲットで構成されています。

SDGsは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されました。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標です。

SDGs17の目標とは

ここではSDGsの17ある目標を、わかりやすく表にまとめましたので参考にしてください。

17のゴール概要
1. 貧困をなくそうあらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2. 飢餓をゼロに飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実施し、持続可能な農業を促進する
3. すべての人に健康と福祉をあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4. 質の高い教育をみんなにすべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5. ジェンダー平等を実現しようジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う
6. 安全な水とトイレを世界中にすべての人々の水と衛生の利用可能と持続可能な管理を確保する
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンにすべての人々の安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8. 働きがいも経済成長も包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
9. 産業と技術革新の基盤を強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進および技術革新の推進を図る
10. 人や国の不平等をなくそう各国内および各国間の不平等を是正する
11. 住み続けられるまちづくりを包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市および人間居住を実現する
12. つくる責任 つかう責任持続可能な生産消費形態を確保する
13. 気候変動に具体的な対策を気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14. 海の豊かさを守ろう持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15. 陸の豊かさも守ろう陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復および生物多様性の損失を阻止する
16. 平和と公正をすべての人に持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を保護し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルで効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17. パートナーシップで目標を 達成しよう持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

SD Vistaにかかわる重要な4つのポイント

それではSDGsに関連しつつSD Vista認証を受けるうえでの重要な4つのポイントを、上記で解説したSDGs目標と照らし合わせて解説していきましょう。

①環境への影響

SDGsは地球温暖化の原因ともなる環境破壊について、以下のようなゴールを作成しています。地球環境のみならず、水やトイレの確保なども重要な環境課題のひとつです。

【関連するSDGs目標】
6. 安全な水とトイレを世界中に
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう

②社会への貢献

貧困や飢餓問題は開発途上国のみの問題ではありません。またジェンダー平等や教育に関しても同様です。これらの諸問題に取り組み社会への貢献を行うことは、もはや企業としての義務ともいえるでしょう。

【関連するSDGs目標】
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
11. 住み続けられるまちづくりを
16. 平和と公正をすべての人に

③経済的側面

これまでは、世界は経済を活性化させるために、多くの資源を使用して物資を大量生産・大量消費してきました。しかし、それらが環境破壊や、児童労働を生み出している現実があります。働き方を含めた新たな経済のあり方が問われているのです。

【関連するSDGs目標】
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤を
10. 人や国の不平等をなくそう
12. つくる責任 つかう責任

④SDGsとの関連性

上記を含め、企業が行っている取り組みが、どれだけSDGsに関連し貢献しているかが重要です。また、自社のみでおこなうのではなく、ステークホルダーやサプライヤーを含めた取り組みも必要です。

【関連するSDGs目標】
17. パートナーシップで目標を達成しよう

義務ではないSD Vistaを企業が取り入れるべき理由4つ

SD Vistaの評価・認証を受けることは義務ではありませんが、企業にとってメリットもあると考えられています。その理由について4つ解説します。

理由①企業の信頼性の向上が見込めるから

SD Vistaは世界的クラスの認証システムです。プロジェクトでは、専門家の第三者監査人が、国連によって定められたSDGs目標を前進させているかどうかを独立して検証を行います。そのため、信頼性や価値が非常に高く、社会的信頼感を大いに向上させます。

理由②SDGsに貢献していることを示すことで競合との差別化を図れるから

SDGsに取り組むことはいまやESG投資市場での基準のひとつです。企業は、SD Vista認証により、社会的な価値を持つ取り組みを行っていることを示すことが可能です。さらに認証を持つ企業として競合の中で、差別化を図り優位性を確保することもできます。

理由③資金調達がしやすくなる可能性があるから

SDGsへの取り組みで優位性や差別化を図れば、ESG投資家に注目される可能性が高まります。ESG投資家の目に留まるということは、資金調達のチャンスが増えるということです。また消費者に対しても大きなアピールになるため、利益向上の可能性にもつながります。

理由④SD Vistaの評価を通じて自社への理解が深まるから

漠然とSDGsへの取り組みを行っても、それが自社にとってどのような利益や効果をもたらしているかを知ることはなかなか困難です。しかし、SD Vistaによる客観的な評価で認証を行えば、自社の弱みや強み、改善すべき点が明確になり、さらにSDGsへの理解も深まります。

企業がSD Vistaを利用する流れ

それではここからは、SD Vista認証を導入するにはどのような流れで行えばいいのかを簡単に解説します。

STEP1:公式サイトから申請する

まずはSD Vista認証の公式サイトから申請を行います。費用が掛かりますのでサイトをよくご覧ください。承認プロセスにかかる2つの個別の管理手数料で構成されており、例えば方法論コンセプトノートの提出時には申請料が必要です。

STEP2:必要な情報・資料などのデータを提出する

申請者は、運営の「Verra」による基準評価の対象となる方法で、コンセプトノートを提出する必要があります。コンセプトノートは、SD Vista認証のテンプレートを使用して作成することが可能です。

STEP3:SD Vistaによる評価が行われ、結果が提供される

「Verra」の基準が満たされておらず、提出したコンセプトノートに修正が必要な場合は、満たされていない基準が指定されます。その後、申請者は基準にそった修正を行い、再提出します。基準が満たされている場合は、評価の結果が提供されます。

STEP4:一定の基準を満たしていればSD Vistaの認証を取得できる

一定の基準を満たしていれば認証を取得可能です。ただし、SD VIsta プログラムは計画から登録、そしてプロジェクトが認定されるまでには、通常1~2年の期間がかかることを覚えておきましょう。

まとめ

企業のSDGsへの取り組みを評価し認証する国際的なプロジェクトSD Vistaについて、根幹となるSDGsの基礎知識から解説しました。

欧米を中心にSDGsへの取り組みは推進されています。企業のサプライチェーンがグローバルになっている近年、SDGsに対して取り組みを行わない企業は、今後非常に厳しい状況になる可能性もあります。しかし、ただ取り組めばいいというわけではありません。

自社でのSDGsへの取り組みが有益なものになるよう、本コンテンツでSD Vistaの知識を深め、ぜひ社内で導入の検討をしてみてください。

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